2006/12/31

アサシン@WOWOW

ずいぶん暗いアクション?映画。

主人公はもうとにかく悲惨。いきなり死刑だし。途中で彼氏ができる以外に全くいいことなし。エンディングも暗い。これからの希望とか展望とか、まるでなし。びっくりするほど可愛いわけでもなく、任務を無感情に処理することもできず、かと言って反抗するでもなく、逃げ出すわけでもない。暗すぎる。

彼氏は途中で殺されるだろう、と思ったが生き残ったな。意外。でもさ、この彼氏との出会いも納得いかないわけよ。スーパーでピントの狂った買物してる女と、彼女の落した缶詰を拾った男が急に仲良くなって同棲とかしちゃうのよ?何ソレ?世の中の独身男性をナメてるでしょ。

最終試験とやらも、意味不明。これから部下にしようってのに、裏切っちゃだめっしょ。あと、女の子の気持ちを利用しておいて、それをわざわざ踏みにじるようなやり方も、見てて不愉快。特定の楽曲を用いた伏線も効果を発揮できていないし、主人公のパンツ姿が無駄に多すぎるのも良くない。特にそういうところはちゃんとしてほしい。

暗殺者としての役割もうまく機能していなかった。愛人に化ける作戦も、お茶を飲ませるのに失敗しただけで終わっちゃうような浅い作戦しか立てられない本部のせいで失敗するわけで、狙撃作戦だって御粗末なもので、何もそこに武器を隠す必要もないし、何もそこから狙撃する必要もないし、そもそもターゲットをちゃんと伝えないなんて、作戦としてあり得ない。工作員の質よりも組織の質を向上しないとダメなんだろうな、と思ったさ。

評価:タイトルに偽りあり。

2006/12/23

チャーリーとチョコレート工場@WOWOW

甘すぎるのはどうも。

みんな面白い面白いって言うし、デップなので期待したんだが、残念でした。小さな人たちが歌って踊ってるシーンは思わず早送りしたくなる。ガキどもはみんな「可愛くない」を通り越して「恐い」し、沢山登場するお菓子も、残念なことにあまり美味しそうではないし、だいたい、デップの魔人っぷりがぜんぜん発揮されていない。

溶けたチョコレートに空気を混ぜるだのなんだの言う説明も、到底同意できない。あのラインでできるチョコレート原料は組成や甘みなどの成分がどの商品も皆同じになってしまってバラエティが出せないし、その混ぜ方じゃぁ成分が分離しちゃうだろうし、温度も一定にならないだろうし、そもそも溶けた状態のまま全く固まらないほどに粘度が低かった原料が売ってた板チョコ製品になるとどう見てもホイップでエアーな食感からはほど遠い、ハードでややビターなようにしか見えなかったから始末におえない。

人間の部分が面白くなかったのに比べると、リス軍団は面白かったかな。そうそう、唯一、あの便利そうなエレベータだけは欲しくなった。あの透明度、強度、機動性、燃費、どれを取っても優れモノだ。お菓子の工場なのになぜあんなものが必要なのか、という疑問は残るし、燃料はどこに積んでるんだよ、っていう気もするんだが。

評価:当面、チョコは見たくもない。

2006/12/20

TAXY NY@WOWOW

道交法って何だっけ。

書くこと無い。困った。せっかく改造した車の本領がぜんぜん発揮されないのと、主人公らしきガハハな姉ちゃんのインパクトの無さ、強盗団の美女たちが頭悪そうなところ、っていうか全員頭悪そうな感じがして、どうにもノリ切れなかった。こんなノリだけの映画でノレなかったら、もう立つ瀬も浮かぶ瀬もありゃしない。

何が足りなかったんだろう。疾走感か。カタルシスか。それとも自分があまり運転をしないから共感できなかったのか。そういえばチャリンコで疾走する場面に関しては共感したな。あれだけ絶妙なタイミングでスリ抜けていくのは、まるで Mr ドリラーを横にしたようでもあった。スタントの人も撮影する側も大変だったに違いない。

評価:ロケットで突き抜けろ。

2006/12/11

アナコンダ2@WOWOW

蛇大杉。

WOWOW ではけっこうヘビ映画をやってるなぁ。なんでだろう。見る側の期待としては B of B、king of 下らない映画、を期待していたのが、最近の CG とか合成とかってすごいのな。最後まで笑わずに見てしまった。

パーティーには、一人だけやけにベラベラベラベラ喋りまくってる五月蝿い野郎が居てうんざりした。こういう雰囲気盛り上げ系のキャラは、この手の映画では最初にバクっと喰われるか、盛り上げるために最後まで生かされてるか…どっちかだろうと思ったんだけど、まさか後者とは。

医者もムカつくプレイボーイだったが、こちらはサクっと喰われてくれた。無口で実力のある船員氏も残念だった。彼はけっこういい奴だったのに。こういう奴と一緒に仕事したら楽しいだろうなぁ。金の亡者役の事業家は最後まで死なない=つまり最後に死ぬものだろうと予測した通り、最後の最後で天罰大ヒット君だった。その彼をも助けようとした鰐殺しの船長、あんたは偉いぜ。

姉ちゃんが二人出てきたので、どっちかは喰われるだろうと踏んだが、この予想は外れ。両方なんとか生き残ったようだ。猿もせっかく生き残ったんだから、もっとちゃんとレーダー役を果たしてほしかった。

評価:蛇蛇蛇蛇蛇。

2006/12/07

エレクトラ@WOWOW

バックグラウンド不明。

原作も読んでないし、誰がどう重要なのかもわからない状態で見始めたが、主役のお姉ちゃんが強いのでウキウキした。おそらくこの映画がアイキャッチにしているだろうボンデージ姿は比較的どうでもよかったんだけど、真紅のいでたちは確かに格好イイぜ。

しかもこの主演の姉ちゃん、キリっとした顔でシュバっと切れのある動きをいたるところで見せてくれる。この年代の姉ちゃんでここまで動けるのって、カメラさんとか編集さんも頑張ったんだろうけど、本人の努力なしにはあり得ないわけで。偉いぞ、主演女優。

この姉ちゃんの髪がこれまた綺麗なんだな。もう、シャンプーのCMなんじゃないかと思うくらいの靡かせっぷり。「宝」の娘っこの髪も意外と綺麗だったけど、主人公にはかなわなかったようだな。しかし、殺し屋的にその髪型はどうよ、という意見もあるかもしれない。まぁ、とにかく綺麗だから許す。

元が漫画みたいなので真面目に突っ込むところもあまり無いのだが、あえて言えば正義の集団が身体能力を極めた境地で得られる能力が「キマグレ」って何よ。その語感センスはいただけないよ。せめて「ヒラメキ」くらいにしておいてほしかった。あと、途中でエージェントの兄ちゃんがサクっとアレなのも、何とはなしにあはれ。

評価:ツヨきれい(はぁと)

2006/11/28

Mr.インクレディブル@WOWOW

ええ話やないか。

スーパーヒーローには誰もが憧れるだろう。透視ができたり空を飛べたり、いろんな特殊能力を兼ね備えたスーパーマンは強すぎて困ってしまうけれど、この映画の場合は単に力が強いとか、単に足が速いとか、実にわかりやすい。各々の能力を組み合わせて活躍する話の流れを見ていると、やはりキッチンシンクよりもツールキットアプローチのほうが正しいのであるなぁと思う。…それは単なる職業病か。

いろんな能力のスーパーヒーローが出てくるけど、感動したのは単に走り回る能力。もう走る走る。ひたすら走る。あんまり走るのが速いので、水の上でも走っちゃう。彼がとにかく必死にひた走るシーンでは、感動のあまり思わず涙がこみ上げたものだ。

番組表を良く見ていなかったので珍しく吹替えで観てしまったが、またこの吹替えが実に雰囲気出ていていい感じ。特にバリヤー姉ちゃんの声はすばらしくはまっていた。

評価:アメコミ

2006/11/26

オーメン@WOWOW

古くて恐い。

基本的には「雰囲気」と「不自然な死に方」で恐くなるのだと思うが、動物を使っているシーンで唸ることが多かった。例えばキリンを逃すのは簡単だろうけど、ヒヒを寄せるのは大変だったんじゃないか?野犬がわさわさ襲って来るところも見ごたえあり。本当に興奮した野犬だったらカメラさんとか音声さんとかも襲われまくりなんだろうな。

それにしてもお父さん、ちょっと老けすぎじゃありませんか。そのお年の割に奥さんはなかなかの美人さんじゃありませんか。で、なんですと、頑張っちゃいましたと。ちょっと待ってくださいよ。ソレが無理だと思いますが。わけのわからない空気に支配されている変なところで、よくそういうコトに至りましたねぇ。そのガッツにびっくりですよ。

で、「イスラエル」を「ジェズリオゥ」って感じで発音する謎の神父その2がことあるごとに来て妙な警告をしてくれるのはいいんだけど、立ち会ったですって?それも変な話だ。犬でしょ?なんで立ち会うのさ。そもそも犬は産科に来ないでしょ。つまるところあなたが悪いんとちゃうやろか?どこそこに行って誰の話を聞け…とか言っている間に、その人を連れて来てくれれば災難は防げたんじゃないのかなぁ。

写真ネタはボヤっとしててよくわからん…と思ったらサクっと来たか。あらら。

評価:温故知新

2006/11/07

ワイルド・タウン@WOWOW

映研っぽい。

何はともあれロック様のご活躍なさっているお映画でございますな。サブタイトルが「英雄伝説」っていうセンスもすごい。それを体現しているのが、拳銃・散弾銃よりも角材・棍棒・丸太というチョイス。イカすぜ!下らない弁護士は Fire!下らない部下達も Fire!ロック様の言うことを聞けぇ!いやぁ、「正義」を「暴力」で表現するとこうなるのね、っていうステキな保安官。

もちろんサービスシーンもてんこもりだろう…と思ったら、元カノしか出てこない。んでもってポールダンサーさんと署でそういうコトしちゃいかんよ。このペアがヒーロー・ヒロインになるのか…と思いきや、やっぱりロック様しか活躍できないようになってるのね。

もちろん伏線は適度に無視される。左膝の話はどこかへ消えてしまうし、アメフトの話は懐古材料にしかなっていない。もっと繋げて広げればいいのに。1 on 1 でなければやられちゃう♪っていう当り前な既成事実も同情目当てのアピール材料にしちゃうし。それはおまえが暴れた(そして逃げそこねた)のがダサいんじゃん。しかも 1 on 1 でも武器(棍棒)かもしくは権力を使うので、あまり正正堂堂キャラとは言えない。別件デッチ上げ逮捕の彼をはじめ、生きていてもらっては都合の悪い人物は、話の流れ的に実に自然にお亡くなりになる。そういう視点で観ると、なんだかヒドい奴だなぁ。

悪役も田舎くさくてしょっぱかった。ん、待てよ。田舎町の話だから、そういう役づくりでいいのかも知れない。あの薄っぺらさの奥にそんな洞察があったとしたら、底が知れないぜ。あと、せっかく出てきた救急隊員のお姉ちゃんがまったく全然いいトコなかったのが残念だったかな。

最初から最後までとにかく暴れまくって撃ちまくってたなぁ。あれでもしスタント無しだとしたら、たいしたモンだ。

評価:ロック

ボアvsパイソン@WOWOW

巨大蛇対決。

蛇ねぇ。昆虫よりはマシだけど、別に好きじゃないなぁ。どうせBオブB的なイケてない映画なんだろう…とみくびっていたが、なかなかどうして蛇ちゃんたちの迫力は立派なものだった。合成っぽさは見事に消されていたので、編集の皆さんに拍手。いい意味で期待を裏切ってくれた。

ハントチームの末路はなんとなく想像どおりだったんだけど、捜査官が撃たれる展開は予想していなかった。あらまぁ。泣きはしなかったけど、これは同情するわ。この活躍に対して、素潜り姉ちゃんと博士のコンビは…、さほど活躍とは言えねぇんじゃないか。もうちょっと活躍させてあげてもよかろうに。ボアちゃんの手術の件も、術後の状態をもうちょっと良く見せてくれてもいいじゃん。

卵の件も、もうちょっとちゃんと理由付けを説明してほしかった。あれじゃあ納得できないよ。まさか、二作目を作るための伏線なんじゃないだろうな。そういえば終わり方も何か怪しかったなぁ。役人系が不在の民間人の活動になっちゃってたのはおかしいじゃんか。脅威は脅威なんだから、役人はちゃんとフォロウするべきだろうに。

いや、それを言ったら最初の作戦もあまりにも支援が薄いな。モニタリングくらいは現地モニタに頼るのではなくてベースキャンプからバックアップしてあげるべきだろ。水にもぐってやりすごす場面も、お話としては面白いけど行動としては不自然すぎる。だいたい搬送のやりかたがおかしいだろ。いきなり中身、っていうんじゃなくって、もう一枚網か格子か使って檻にするだろう、普通。運ぶモノに対しての配慮がなさすぎる。

やっぱりいろいろ突っ込みたくなっちゃうが、素潜り姉ちゃんが可愛かったから許す。

評価:未完?

2006/11/05

ホステージ@WOWOW

クレジット長ぇな…

例によってこのおっさんはくたびれた刑事で、ルール無視で、ちょっと僻んでる。軽々しく人が死にすぎるのと、悪の組織が頭悪すぎるのと、おっさんがだらだらと悩んでる時間が長すぎるのが気になった。このおっさんはキレて破天荒なことをしでかすのが面白いんだから、とっとと突入して盛り上げてくれないと退屈だろ。

そもそもこの家、おかしいよな。作りが。子供のひみつ基地みたいな空間がなんでこんなにたくさんあるんだよ。設計者の意図が知りたいぜ。ダクトの広さもおかしいけど、ぜんぜん汚れてないことの方に激しく違和感。そんなところを通ったらもっと激しく汚れるはずじゃん。

立てこもり犯のへたれっぷりや壊れっぷりも中途半端だったな…‥・。子役はもっとダメかと思ったけど、滑舌よかったな、この子は。恐怖におびえてガクブルなはずなのに、そこそこ聞き取れた。彼が手に入れたせっかくのアイテムが結局のところ役に立たないのは、お話としてどうかと思うよ。

それでも姉ちゃん役が可愛かったから許す。

評価:暴れ足りん

2006/11/02

身代金@月曜ゴールデン秋の映画スペシャル

デカvsデカ

メル・ギブソンって、どこからどうみてもデカなんだよね。最近は妙なパパ役を定着させようとしてるのかもしれないけど、中身はやっぱり、デカ。んでもって CSI NY のテイラー捜査官も、デカ。奥さん役も婦人警官っぽいし、FBI 役で出てた人もばりばりのデカだし、もうそこらじゅうデカだらけ。

お話としては逆切れパピーも大事だけど、テイラー捜査官の活躍なくしてはこの作品は成り立たなかったことでしょう。存在感がすばらしい。

ところで実際のところ、身代金目当ての誘拐ってどうなんだろう。う〜ん。加害者の立場にも被害者の立場にも同調しにくいな。 自分自身が誘拐されたらどうだろう?う〜ん、それも想像できないや。それだけ現実感のない話だから楽しめたのかもしれない。

評価:金額が想像できない orz

2006/11/01

亡国のイージス@日曜洋画劇場

和製ザ・ロック。

時代劇っぽい負傷アクションも散見されたが、全般的にはまともなんじゃないか。邦画=ダメ、という固定観念があったが、その上で最後まで「ケッ」と諦めることなく見ることができた。あちこちにご都合な部分もあったのだが、それを見させてしまう勢いもあったから良しとしよう。最後の最後でそのズーム倍率&リアルタイム動画っていうのは無ぇんじゃねぇか、と突っ込みたくなったが、通信方法が懐かしかったので許す。

一人だけ、なんだかまじめな顔をしたお姉ちゃんが混入していたみたいだが、何だったんだろう。

評価:許可

2006/10/29

エル・タロット@WOWOW

すげぇ。オチ。びっくり。

空が青くて陽射しが強くて適度に淫靡で。行ってみたいな、スペイン。でもスペイン語は…、何言ってんのか本当にさっぱりわからない。張ってあった伏線が全部解決されたわけじゃないのがやや不満だが、それもミステリアスなこのシナリオの小道具の一つと思えば、許容範囲だ。それにしても奥さん役のひと、可哀想に。台詞一つも無しかよ。

今から三十年経って、中学の時の友人が来たら、我輩は彼を見分けられるだろうか?何か彼の力になってやろうと思うだろうか? いや…、正直、自信がない。高校以降の友人だったら話は別で、けっこう自信あるんだが。だから、腹の出たカルロスの態度は残念だったけど、腹は立たなかった。それ自体もまた哀しい。

ビジュアル的に恐いのはオープニングとエンディングだけなんだが、オープニングの意味をもういちどとっくりと考えて…、ゾゾっと寒くなった。うわっ。恐ぇっ。

評価:後から効く

2006/10/28

ブラザーズ・グリム@WOWOW

正統派シニカル童話。

ドイツ人もフランス人もイタリア人も、全員もれなく英語を喋る。フランス人はフランス風に、イタリア人はイタリア風に。その設定にほんわかした。フランスやイタリアではこの映画はどう評価されてるのかなぁ。特にフランス版は吹替えにしないと絶対怒られそうだ。

ところで、このストーリー自体は、別にグリム兄弟でない別の誰かを嵌め込んでも成り立っちゃうんだろうな。歴史上の彼らでなければならない必然性は、特に感じられなかった。魔女退治。そして、姫奪還。実にわかりやすい。しかし、残念なことに、アンジェリカちゃんはあんまりタイプじゃなかった。それに、呪法の素材としてはいささか薹が立っちゃってんじゃねぇのかなぁ。

これもマット・デイモン特集の一部だったらしいのだが、マット・デイモンは誰の役で出演してたのかな?…まさか、兄ちゃんのほう? 我輩は目が腐ってるのでよくわからなかった。

評価:魔女テラコワス

2006/10/27

オーシャンズ12@WOWOW

パロディ映画?

なんなんだこれ。「11」はちゃんと面白かったから楽しみにしていたんだが。パロディ映画は元ネタがわからないと楽しめなくて当り前。それにしても意味の無い展開が多すぎた。だいたい、出てる俳優の数が多すぎて誰が何やらさっぱりわからない。

どろぼうが卵に挑むシーンはエントラップメントのパロディなんだろうけど、絶対レーザに当たってるし、あんな軌跡で動くレーザがいったい何のセンサとして働いているのかがそもそも疑問。レセプタが設置できないじゃん。

どこで笑っていいのかさっぱりわからなかったが、キャサリン・ゼタ・ジョーンズはやっぱり可愛かった♪

評価:楽屋ネタ、ワカンネ

2006/10/25

ボーン・スプレマシー@WOWOW

弧軍奮闘工作員。

隠遁生活から一転して反撃に出る工作員、ってよく聞く話だ。でも、理不尽な「こっちの弾は当たるが向こうの弾は当たらん」みたいなインチキはないし、こっちだけ格闘の達人だったりすることもないし、粒子の粗い写真がありえないほどズームしたりもしないし、全体的にルールを守ってくれている。その上で、おっ、なるほどっ、そう動くかっ、と思わせてくれるリアル感がよかった。

でもねぇ、これ。二作目なのね。先にボーン・アイデンティティがあるのは知ってはいたんだけど、なかなか放送してくれないのよ。んでマット・デイモン特集だから期待したのに、なんで二つ並べて放送してくれないのか…。企画意図が意味不明だよ。>Wowow

評価:順番間違えた…

2006/10/23

シークレット・ウィンドウ@WOWOW

窓の話…ではない。

我輩は作家ではないし、むしろコピペとかサンプルコードとか大好きだし、無から有を生み出せないタイプの根っから盗作野郎なので作家の産みの苦しみや出してしまった出版物に対する後悔は知る由もないわけだが、会ったこともない奴にこんな難癖をつけられたら、さぞかし嫌だろうなぁ。

直したいコードはそりゃもうたくさんあるけど、そうひょいひょい直せないのも現実なわけで。間違って書いたコードを夢に見ることもあるし、そのコードが原因でトラブルが発生する夢も見る。でも、それを直せ!って強要される状況に追い込まれたとしたら、それはむしろ歓迎するものであって、逃避はしないだろうな…。

この主人公のシチュエーション自体が彼が自分を追い詰めることになる大きな伏線とも考えられるけど、オープニングのあまりの展開には息をのんだ。あの状況に自分が置かれたら、自分は彼ほど動揺するだろうか?もっと冷めてるんじゃないか?と自問してしまって、それが自分にはトリガーにならないことを素直に喜べなかった。

途中で犬が死んじゃうんだけど、その後の人が死んじゃうシーンよりも、よほど衝撃が残った。人の死体のほうはじっくり見たので恐くなくなったけど、ちょっとしか見てない (映されていない) 映像のほうはあとからじわじわ効いてくる。一瞬だけちらっとだけ見せるっていうのは、余計に恐くなるのでやめてほしいぜよ。

評価:我輩もいつか?

2006/10/21

クリスティーン@WOWOW

妖車でイェイ。

イカすクルマに乗ってればナオンはオレっちのもんだぜヤッホー、っていうアメリカンで能天気な話かと思いきや、そんなはずはない。どんどん恐くなっていく。主人公のメカニックとしての腕は、ちょっとありえないくらい。そのへんのリアリティを無視した感覚がちょっと気になりつつも、物語の展開には飲み込まれてしまう。

中でもオシャカな車が自己治癒していく様子はすごい。どれだけぐしゃぐしゃになってもみるみるうちに治ってしまうのだから、そりゃ多少の傷がつこうが何しようが、怨みはらさでおくべきか、オラオラオルァッ、っていう勢いにもなるだろうな。撮影するのも編集するのも、大変だったろうな。

彼女役はけっこう可愛かったし、追われて縦に逃げるセンスは立派なもんだ。序盤の主役のいじめられっぷりも実体験を思い出してはらはらした。モテ男役の友達が脇見プレイでジェラって事故っちゃうところも、同情できる。視界に気になるコが居たら、そりゃぁついつい見ちゃうもんだよね。

キャラ達も面白いし、脚本も面白かった。もう一回見たいか?と言われると微妙だが。

評価:欲しい

2006/10/20

ミザリー@WOWOW

原作通りだ。

録画をミスって頭の 10 分くらいを見ていない…。ショック。でも、「作家と看護婦、一つ屋根の下、ドキドキふたりっきり生活」っていう副題をつけたくなるくらい、恐い看護婦役がハマりすぎていた。

現代だったらタイプライタじゃなくて PC でワープロ。っていうかそもそも何か異常が起きた時には携帯とかメイルとかで連絡できちゃうんだろうな。

作家が実に独特な、お世辞にもきれいなフォームとは言えない我流なタイピングでパチパチ打っているシーンには感心した。上手にタイピングされちゃったら、リアリティなくなるよね。それにしても、我輩には一ページぶんもの英文を一文字も間違えずに打つなんていう芸当はできないから、恐れ入るばかりだ。

評価:期待通り

2006/10/18

シルバーホーク@WOWOW

要するにバットマン。

ストーリーは殆んど存在しなくて、アクションシーンがどかどかとひたすら連発される。やられキャラも大変だな。アクション自体は香港映画っぽくワイヤー大活躍なんだが、後半始まってすぐの敵地潜入ではその悪の基地が何を想定してそういう装備になってるのか知らないが、むしろワイヤー見えちゃえ的な開き直りかた。いっそすがすがしい。

アクション自体は好きなのでけっこう見られたが、いかんせん主役のねえちゃんの声がどうにも納得いかない太さ。その上、無理して英語で頑張ってるのがイタい。教授の助手の大根っぷりも立派なものだ。理解できないことに、何が楽しいのか女性キャラは出てくるシーンごとに髪型とか髪の色とかがころころと変わりすぎて、識別が困難だった。

運転者なしで自走するバイクっていう発想は面白かったが、スピード感の無さは圧巻。エンジン音とか排気とかが全く感知できなかった。電気で走ってるんかいな。きわめつけに、なぜかエンディングが都庁。架空の都市だったはずだが、いかにも「ロケ地:新宿」っぽい感じで終わるのが安っぽくて後味悪い。

評価:漫画

2006/10/15

ポセイドン@日曜洋画劇場

豪華客船転覆の話。

そりゃまぁ大惨事さ。ひどい話だよね。2000 人乗ってたのに、最終的に助かるのは 9 人。つまり 1991 人が死んでる。でも、エンディングで MI6 のおばちゃんが「何千人も死んだ」って断言してる。MI6 なのに、引き算もできないとは!なんて恐ろしい話なんだ。他にもいろいろ恐ろしい思いをしたので、紹介しよう。

めらめら燃え上がる通路を目の前にしたギャルが何を思ったか着ているドレスを脱いで引き裂き、「これでみんなのぶんのマスクがわりになるでしょ」とのたまう。あのぅ、そのへんにもっといろいろ落ちてると思いますが?その手に持ってる懐中電灯はどこから調達したんですか?

逃げてる途中でお約束のチーム分割。メインの連中は水没した通路を決死の潜水でくぐり抜けて別の出口へ。ビデオ撮影大好き坊やはカメラを一生懸命ビニール袋にしまっているようだが、その袋は一体どこから持ってきた?便利な船だなぁ。そんなことをしている間に、無理をした老婦人が一名、命を落しているんですが…、そこからほんのちょっと進んだところでさっき別れたはずの別のチームが何事もなかったように合流する。ってことは別チームの順路のほうがどう考えても安全確実だったわけじゃん。そっち行っとけよ。

最後には吊り橋効果でも狙ったのか、遠火でじわじわ炙られているキャットウォークを順番にだらだら渡る。距離にして、そうね、目測で 10m 足らず。足場となるキャットウォークの幅は 70〜80cm はありそう。素材は頑丈な金属製。恐さがぜんぜん伝わって来ないんだが…、それっぽっちを渡るのがそんなに恐いか。一分一秒を争うという時に人生の懺悔とかとってつけた家族愛とか、そういうのは後回しにしようね、おじちゃん。

まぁそういう角度で鑑賞すると他にも全編突っ込み処満載の、いろいろ美味しい話なんだが、我輩が最も気になった点は…、『衛星通信はもちろん GPS でも発見できないような完璧なひっくりかえり方をしている船内から、ただのブティック経営のおばちゃんが、なぜか軍に SOS のメイルを打てている』こと。おばちゃん、たぶんあんたがテロリストの黒幕だろ?

評価:奇天烈