2007/01/29

エクソシスト ビギニング@WOWOW

恐いのはもちろん恐いのだが、むしろ「不快」な映画だった。不快というのはダメな作品、という意味ではなく、作品の中で描かれている「悪」の存在が撒き散らす負の力が観ているほうまで入ってきてしまうという意味だ。だから、作った側としては成功だろう。

動物の使い方もオーメンと同様、うまいものだ。ハイエナに引きずられて消えて行く子供の姿が痛々しいし、鳥葬になってしまったおじさんも哀れだった。「乗り移る」という設定に関しては、みごと騙されてしまった。言われてみればなるほど、それはアリだ、と感じられる。

貴重なご婦人キャラの扱われ方に関しては、ちょっと納得いかなかった。助けてやれよ…。

評価:恐かったよぅ

2007/01/23

銀河ヒッチハイクガイド@WOWOW

映画はずいぶん漫画チックなアレンジになっているが、元はれっきとしたSFだ。原作の味が出ているか…と考えると微妙だが、これはこれで面白い。スター・ウォーズ等にくらべてしまうと映像的にびっくりするようなものは何もないが、宇宙船も旅程も面白く映像化されていた。

馬鹿大統領にはちょっと胸やけしたが、ねずみと姉ちゃんは可愛かった。主人公?冴えない感じが好印象。

評価:慌てるな!

2007/01/21

宇宙戦争@WOWOW

主人公は一般人。宇宙船には乗らない。超強いわけでもない。スーパー賢いわけでもない。偉くもない。普通のヒト。むしろ、どっちかっていうとダメ男。宇宙人との戦争の映画というより、巨大・強力な侵略者によるパニックムービーという色合いのほうが濃いくらいだ。

攻めて来る…逃げる…何とかなる…、っていうお話も面白いんだが、圧巻なのは何しろスケールのデカいこと。地面が割れてコンクリが飛び交っちゃう映像や、謎の光線によって灰化する人間や、巨大浮遊兵器の緻密さ、逃げる道すがらにうじゃうじゃ居る人人人、フェリーに押し寄せる人人人。どれだけエキストラ集めたんだろう。

しかも派手にあちこち壊しまくる。道路は割れるし、高速高架も破壊するし、フェリーはひっくり返るし、町中灰だらけになるし。ハリウッド映画が撮影される時には「町をまるまる一つ作っておいて、それを壊す」という話は本当なんだなぁ、と感心した。

子供の悲鳴がちょっとうるさいので、子供嫌いの人にはおすすめできないかな。

評価:壊しすぎ

2007/01/15

ファンタスティック・フォー@WOWOW

フォー!

…といっても HG ではない。最近流行っている、漫画を映画にしたものだ。宇宙嵐を浴びると何やら不思議な能力が身につくと言う。いやぁずいぶんとご都合がよろしいようで。光って、太陽表面を出発してから地球地表に到達するまで 8 分くらいはかかるはずなのよね。さてそこで例の宇宙嵐くん。映像的にはあんなに激しく発光していたけれど、そんなに発光していたなら、ステーションを出て船外活動を始めた瞬間にはもう可視範囲にあったと考えられるのよね。

つまり悪いのはベン、お前だ、と。お花を使った実験自体の成功・失敗はプランニングの段階で既に運命付けられていたけど、同乗したクルーに身体的異変が生じた責任は船外に出た瞬間に気づかなかったベンが悪いし、もっと言えはその程度も観測できないような体制ならば、実験も失敗するよね。

他の設定もさぁ、チタンも融ける 4000℃ って何。あまりに漫画だろうさ。岩石おじさんの指が一本減っちゃうのも理解不能だ。姉ちゃんはうのっぽいメイクで、せっかく元が綺麗なのに…もったいない。火の玉野郎は能天気すぎて一緒に仕事したいとは思わない。ミスターゴムはルフィでしょ。ミスター電気は症状が安定しないから嫌。

お話的にも、悪者くんの僻み根性というか嫉み感情というかそのへんをもっとドロドロにして前面に出して、ゴム野郎の不器用なところをもっとアピールしてほしかったな。能天気火の玉野郎だけはいい感じにアメリカンだったので、あれが素なんじゃなかろうかと逆にちょっと心配になった。

評価:ツメが甘い

2007/01/08

レリック@新春ロードショー

さすがテレ東。正月だってのにまったく「ふさわしくない」映画をぶっ放してくれる。これは期待してよさそうだ。そんな感じでドキドキしながら見たのだが、呑みすぎがたたって途中で寝てしまった。やっぱり民放は CM が入るからよくない。緊張感が某奉行に寸断されてしまう。こういう下らない(?)番組を組めるためのスポンサーとしては大事だけどさ、あの奉行には正直言ってあんまり良い印象ないよ。

さて、眼鏡顔があまりに気に入ったので調べてしまったが、博士(ペネロープ・アン・ミラー:相沢恵子)が可愛かったぞ。って相当年上だな…。でも葉っぱ喰った虫をブチュっと叩き潰すのも女の子としてはナイスファイトだし、大物を焼いて倒そうとするあたり、賢いじゃないの。解析完了のサウンドはセンス無いけどさ。

でもお話全体としては、強引すぎるだろ。現地部族からすれば見知らぬただの外国人になんで件の葉っぱを喰わせるのかもわからないし、シカゴ送りの箱がなんで送られなかったのかも単なる不注意じゃすまない話だし、悲しきモンスターに船員を喰い殺したあと死体を船底に隠すような知能も無さそうだし理由もない。博物館の地下に居た浮浪者や二匹めの犬がどうして生き延びられたのかもわからない。だいたい、ベヒーモスっぽいのが二体以上いたように思える。

変な喰い物で身体に変化が起きるのは理由付けとしてはわからなくもないが、大きさの問題は解決しないだろ。ホルモン物質だけを好んで喰うならたいした栄養源にゃならないだろうから、あのサイズになるのは納得いかない。虫のほうだって、トビっこ一粒二粒であんなに巨大化しないだろ。

モンスターの喰い物も理解できないが、人間の喰い物もおかしい。サーモンのカルパッチョが 150kg って、多すぎだろう。一人あたり 50g 食べるとして 3000 人ぶんか。どんなパーティだよ。集まった人・逃げた人をぱっと見た感じでは 100 人未満だったと思うんだが。ま、料理は足りないより余るほうがいいんだろうけど、そういうことしてるから博物館としての予算が足りなくなるんじゃないのか?

評価:博士カワイソス

2007/01/04

ハリー・ポッターと炎のゴブレット@WOWOW

全員老けたけど、中でも、可愛かったハーマイオニーがずいぶん年取ったな…。我輩はハーマイオニーの何でもないけど、あのセリフもろくろくないような脳味噌筋肉とつき合うのだけはNG。あと、妙な新聞の記者のおばちゃんも悪くないかな。ちっこいドラゴンも可愛かったし、帆船なのに潜水艦ってのも発想としては面白かった。そんな枝葉末節は重要じゃないが。

というわけで、ハーマイオニーが可愛いっていう以外はかなりどうでもいい話。まだ見てない読者のために大胆にネタバレしてみよう。要約すると一行で書ける。シスの暗黒卿、復活。それだけ。あとは伏線から何から、全部意味不明。

…っつうか今 Wikipedia で粗筋読んだけど、話が全然違うじゃんよ…

そもそも話が繋がらなすぎなんだよな。時間の都合上しょうがないのかもしれないが、それでも脚本がお話の流れをブツブツにぶった切ってくれているので、怪しい人物はもちろんその他の重要な人物のサイドストーリーにもフォーカスが全然当たらないし、主人公は流れに流されてるだけだし、悪が栄えるだけで感動するところはないし。こんなモンをお金出して映画館で見たら、納得できないだろうな。

評価:駄作

2007/01/03

トリプルX ネクスト・レベル@WOWOW

体力ヴァカ。

こういう勢いのある体育会系な極秘任務映画は大好きだ。オープニングの施設への爆破侵入も見事なものだし、途中のアクションシーンも充分な量の火薬と馬鹿体力と予算が発揮されていて心地よい。中でも、戦車をカタパルトで飛ばすシーンが一番ウケた。

シナリオ的には古典的な「set up 返し」と言えるだろう。裏切りの連続なので悪い奴は圧倒的に悪い印象。それに組み合わせてあるのがガンアクションやらカー(?)チェイスやらミリタリー要素やら。主人公自身も「犯人顔だ」と認めている通り、どう見ても悪い奴。だから色恋要素もあるんだが、見られたものではないおかしさ。

どうやらこの作品も続編らしいのだが、一発目を見ていないので組織の背景とか役職とか因縁とかはよくわからなかった。だが、何しろ小気味よく破壊して破壊して破壊しまくるので、細かい事情など関係なく楽しめるエンターテインメントだった。

評価:ラップラッパーラッペスト