2006/10/29

エル・タロット@WOWOW

すげぇ。オチ。びっくり。

空が青くて陽射しが強くて適度に淫靡で。行ってみたいな、スペイン。でもスペイン語は…、何言ってんのか本当にさっぱりわからない。張ってあった伏線が全部解決されたわけじゃないのがやや不満だが、それもミステリアスなこのシナリオの小道具の一つと思えば、許容範囲だ。それにしても奥さん役のひと、可哀想に。台詞一つも無しかよ。

今から三十年経って、中学の時の友人が来たら、我輩は彼を見分けられるだろうか?何か彼の力になってやろうと思うだろうか? いや…、正直、自信がない。高校以降の友人だったら話は別で、けっこう自信あるんだが。だから、腹の出たカルロスの態度は残念だったけど、腹は立たなかった。それ自体もまた哀しい。

ビジュアル的に恐いのはオープニングとエンディングだけなんだが、オープニングの意味をもういちどとっくりと考えて…、ゾゾっと寒くなった。うわっ。恐ぇっ。

評価:後から効く

2006/10/28

ブラザーズ・グリム@WOWOW

正統派シニカル童話。

ドイツ人もフランス人もイタリア人も、全員もれなく英語を喋る。フランス人はフランス風に、イタリア人はイタリア風に。その設定にほんわかした。フランスやイタリアではこの映画はどう評価されてるのかなぁ。特にフランス版は吹替えにしないと絶対怒られそうだ。

ところで、このストーリー自体は、別にグリム兄弟でない別の誰かを嵌め込んでも成り立っちゃうんだろうな。歴史上の彼らでなければならない必然性は、特に感じられなかった。魔女退治。そして、姫奪還。実にわかりやすい。しかし、残念なことに、アンジェリカちゃんはあんまりタイプじゃなかった。それに、呪法の素材としてはいささか薹が立っちゃってんじゃねぇのかなぁ。

これもマット・デイモン特集の一部だったらしいのだが、マット・デイモンは誰の役で出演してたのかな?…まさか、兄ちゃんのほう? 我輩は目が腐ってるのでよくわからなかった。

評価:魔女テラコワス

2006/10/27

オーシャンズ12@WOWOW

パロディ映画?

なんなんだこれ。「11」はちゃんと面白かったから楽しみにしていたんだが。パロディ映画は元ネタがわからないと楽しめなくて当り前。それにしても意味の無い展開が多すぎた。だいたい、出てる俳優の数が多すぎて誰が何やらさっぱりわからない。

どろぼうが卵に挑むシーンはエントラップメントのパロディなんだろうけど、絶対レーザに当たってるし、あんな軌跡で動くレーザがいったい何のセンサとして働いているのかがそもそも疑問。レセプタが設置できないじゃん。

どこで笑っていいのかさっぱりわからなかったが、キャサリン・ゼタ・ジョーンズはやっぱり可愛かった♪

評価:楽屋ネタ、ワカンネ

2006/10/25

ボーン・スプレマシー@WOWOW

弧軍奮闘工作員。

隠遁生活から一転して反撃に出る工作員、ってよく聞く話だ。でも、理不尽な「こっちの弾は当たるが向こうの弾は当たらん」みたいなインチキはないし、こっちだけ格闘の達人だったりすることもないし、粒子の粗い写真がありえないほどズームしたりもしないし、全体的にルールを守ってくれている。その上で、おっ、なるほどっ、そう動くかっ、と思わせてくれるリアル感がよかった。

でもねぇ、これ。二作目なのね。先にボーン・アイデンティティがあるのは知ってはいたんだけど、なかなか放送してくれないのよ。んでマット・デイモン特集だから期待したのに、なんで二つ並べて放送してくれないのか…。企画意図が意味不明だよ。>Wowow

評価:順番間違えた…

2006/10/23

シークレット・ウィンドウ@WOWOW

窓の話…ではない。

我輩は作家ではないし、むしろコピペとかサンプルコードとか大好きだし、無から有を生み出せないタイプの根っから盗作野郎なので作家の産みの苦しみや出してしまった出版物に対する後悔は知る由もないわけだが、会ったこともない奴にこんな難癖をつけられたら、さぞかし嫌だろうなぁ。

直したいコードはそりゃもうたくさんあるけど、そうひょいひょい直せないのも現実なわけで。間違って書いたコードを夢に見ることもあるし、そのコードが原因でトラブルが発生する夢も見る。でも、それを直せ!って強要される状況に追い込まれたとしたら、それはむしろ歓迎するものであって、逃避はしないだろうな…。

この主人公のシチュエーション自体が彼が自分を追い詰めることになる大きな伏線とも考えられるけど、オープニングのあまりの展開には息をのんだ。あの状況に自分が置かれたら、自分は彼ほど動揺するだろうか?もっと冷めてるんじゃないか?と自問してしまって、それが自分にはトリガーにならないことを素直に喜べなかった。

途中で犬が死んじゃうんだけど、その後の人が死んじゃうシーンよりも、よほど衝撃が残った。人の死体のほうはじっくり見たので恐くなくなったけど、ちょっとしか見てない (映されていない) 映像のほうはあとからじわじわ効いてくる。一瞬だけちらっとだけ見せるっていうのは、余計に恐くなるのでやめてほしいぜよ。

評価:我輩もいつか?

2006/10/21

クリスティーン@WOWOW

妖車でイェイ。

イカすクルマに乗ってればナオンはオレっちのもんだぜヤッホー、っていうアメリカンで能天気な話かと思いきや、そんなはずはない。どんどん恐くなっていく。主人公のメカニックとしての腕は、ちょっとありえないくらい。そのへんのリアリティを無視した感覚がちょっと気になりつつも、物語の展開には飲み込まれてしまう。

中でもオシャカな車が自己治癒していく様子はすごい。どれだけぐしゃぐしゃになってもみるみるうちに治ってしまうのだから、そりゃ多少の傷がつこうが何しようが、怨みはらさでおくべきか、オラオラオルァッ、っていう勢いにもなるだろうな。撮影するのも編集するのも、大変だったろうな。

彼女役はけっこう可愛かったし、追われて縦に逃げるセンスは立派なもんだ。序盤の主役のいじめられっぷりも実体験を思い出してはらはらした。モテ男役の友達が脇見プレイでジェラって事故っちゃうところも、同情できる。視界に気になるコが居たら、そりゃぁついつい見ちゃうもんだよね。

キャラ達も面白いし、脚本も面白かった。もう一回見たいか?と言われると微妙だが。

評価:欲しい

2006/10/20

ミザリー@WOWOW

原作通りだ。

録画をミスって頭の 10 分くらいを見ていない…。ショック。でも、「作家と看護婦、一つ屋根の下、ドキドキふたりっきり生活」っていう副題をつけたくなるくらい、恐い看護婦役がハマりすぎていた。

現代だったらタイプライタじゃなくて PC でワープロ。っていうかそもそも何か異常が起きた時には携帯とかメイルとかで連絡できちゃうんだろうな。

作家が実に独特な、お世辞にもきれいなフォームとは言えない我流なタイピングでパチパチ打っているシーンには感心した。上手にタイピングされちゃったら、リアリティなくなるよね。それにしても、我輩には一ページぶんもの英文を一文字も間違えずに打つなんていう芸当はできないから、恐れ入るばかりだ。

評価:期待通り

2006/10/18

シルバーホーク@WOWOW

要するにバットマン。

ストーリーは殆んど存在しなくて、アクションシーンがどかどかとひたすら連発される。やられキャラも大変だな。アクション自体は香港映画っぽくワイヤー大活躍なんだが、後半始まってすぐの敵地潜入ではその悪の基地が何を想定してそういう装備になってるのか知らないが、むしろワイヤー見えちゃえ的な開き直りかた。いっそすがすがしい。

アクション自体は好きなのでけっこう見られたが、いかんせん主役のねえちゃんの声がどうにも納得いかない太さ。その上、無理して英語で頑張ってるのがイタい。教授の助手の大根っぷりも立派なものだ。理解できないことに、何が楽しいのか女性キャラは出てくるシーンごとに髪型とか髪の色とかがころころと変わりすぎて、識別が困難だった。

運転者なしで自走するバイクっていう発想は面白かったが、スピード感の無さは圧巻。エンジン音とか排気とかが全く感知できなかった。電気で走ってるんかいな。きわめつけに、なぜかエンディングが都庁。架空の都市だったはずだが、いかにも「ロケ地:新宿」っぽい感じで終わるのが安っぽくて後味悪い。

評価:漫画

2006/10/15

ポセイドン@日曜洋画劇場

豪華客船転覆の話。

そりゃまぁ大惨事さ。ひどい話だよね。2000 人乗ってたのに、最終的に助かるのは 9 人。つまり 1991 人が死んでる。でも、エンディングで MI6 のおばちゃんが「何千人も死んだ」って断言してる。MI6 なのに、引き算もできないとは!なんて恐ろしい話なんだ。他にもいろいろ恐ろしい思いをしたので、紹介しよう。

めらめら燃え上がる通路を目の前にしたギャルが何を思ったか着ているドレスを脱いで引き裂き、「これでみんなのぶんのマスクがわりになるでしょ」とのたまう。あのぅ、そのへんにもっといろいろ落ちてると思いますが?その手に持ってる懐中電灯はどこから調達したんですか?

逃げてる途中でお約束のチーム分割。メインの連中は水没した通路を決死の潜水でくぐり抜けて別の出口へ。ビデオ撮影大好き坊やはカメラを一生懸命ビニール袋にしまっているようだが、その袋は一体どこから持ってきた?便利な船だなぁ。そんなことをしている間に、無理をした老婦人が一名、命を落しているんですが…、そこからほんのちょっと進んだところでさっき別れたはずの別のチームが何事もなかったように合流する。ってことは別チームの順路のほうがどう考えても安全確実だったわけじゃん。そっち行っとけよ。

最後には吊り橋効果でも狙ったのか、遠火でじわじわ炙られているキャットウォークを順番にだらだら渡る。距離にして、そうね、目測で 10m 足らず。足場となるキャットウォークの幅は 70〜80cm はありそう。素材は頑丈な金属製。恐さがぜんぜん伝わって来ないんだが…、それっぽっちを渡るのがそんなに恐いか。一分一秒を争うという時に人生の懺悔とかとってつけた家族愛とか、そういうのは後回しにしようね、おじちゃん。

まぁそういう角度で鑑賞すると他にも全編突っ込み処満載の、いろいろ美味しい話なんだが、我輩が最も気になった点は…、『衛星通信はもちろん GPS でも発見できないような完璧なひっくりかえり方をしている船内から、ただのブティック経営のおばちゃんが、なぜか軍に SOS のメイルを打てている』こと。おばちゃん、たぶんあんたがテロリストの黒幕だろ?

評価:奇天烈